「二所ノ関部屋の綱打ち式」と大麻草の伝統文化について

こんにちは。HEMPSの松丸です。


先日、第75代横綱・大の里関(二所ノ関部屋)の横綱綱打ち式に参加させていただきました。
改めて大麻草と日本の伝統文化の深い結びつきを、麻事業に携わっているものとしてもお伝えをしたく書かせていただきます。

古来より麻といえば大きな麻(大麻草)のことであり、日本で長年使われてきた非常に馴染みのある植物であります。
また、大麻草と日本文化のつながりは古来より大麻草(麻)は「神聖な植物」として広く活用されてきた事実もあります。

特に有名なのは、神社のしめ縄、鈴緒、また、お供えものを精麻で結ぶこともあります。いずれも大麻草の繊維が使われております。
横綱の綱も、この麻の精神性を受け継いだものであり、単なる装飾ではなく、力士の品格と精神力を示す神聖な文化的象徴にもなっております。

綱打ち式は、本場所前に横綱のための新しい綱を編み上げる伝統行事です。綱は一本一本の大麻繊維を撚り合わせ、力強さと清浄さを兼ね備えた姿に仕上げられます。その様子を目の前で見ると、まさに日本文化における「麻の神聖さ」がいかに大切にされてきたかを実感します。

では、早速ですが、二所ノ関部屋での様子を拝見しましたので、写真と共にご説明させていただきます。

新しく新設された二所ノ関部屋は、大きく広くて木の温もりがある相撲部屋で、入り口に第72代横綱である稀勢の里横綱(現在は二所ノ関親方)の写真が飾られておりました。

他にも、元稀勢の里横綱の横綱も飾られており相撲の歴史を感じられる素晴らしい施設であります。

可愛らしいお相撲さんの陶器や、麻柄の引き窓に月や太陽のモチーフも素敵でした。

稽古をされる土俵が二つつくられている稽古場で綱打ちの準備は始まっておりました。写真ではわかりにくいですが皆さんとても大きいです。

以前に元横綱白鵬関、元横綱稀勢の里関の綱打ちでもご活躍されていたお二人が先頭に立って力士の方々と綱打ちの準備をされておりました。

米糠と一緒に時間をかけて揉み上げ柔らかくなった麻の繊維を純白の木綿と銅線と一緒に寄り上げます。

力士の方々総出で大きな掛け声を一緒にしながら3つの撚った綱を一つの綱にしていく作業が始まりました。大の里横綱も綱を見つめておりました。

撚り上がった綱の中央部分を確認されている様子。真ん中の部分には沢山の麻の繊維が使われているそうです。大きな力士の方と比べても非常に大きいのがわかります。

大切な麻の繊維は、栃木県の麻農家である大森さんの麻で、実際に見ると輝きがあります。

和装されていた大の里横綱が、綱打ちされた綱の仕上げに、土俵に場所を移して整える作業をされております。ここで、本場所の土俵入りの準備をされます。

大きな力士の中でも一際大きな大の里横綱に綱を合わせて準備をされている様子です。

化粧回しが整えられた横綱の姿を見るやいなや、参加者の中から自然に拍手が起こっておりました。190センチ、190キロの横綱の日本人離れした体格にどっしりと綱が収まっている様子が素晴らしいです。紙垂(シデ)を整えてない貴重な写真です。化粧回しには、我即宇宙 宇宙即我 大の里 と書かれております。非常に哲学的であり、「我即宇宙 宇宙即我」という言葉は、仏教や禅の教え、さらには広く東洋哲学において自己と宇宙が一体であることを示す深遠な概念で、この言葉は、二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が提案したもので、「宇宙という非常に安定しバランスの取れた空間と大の里が一体となり、全力で相撲を取る覚悟を表している」つまり、「自分が動けば宇宙も動く」というほどの力士になってほしいという願いが込められているそうです。

四方を守るという意味でも、四つの紙垂を改めて整え

最後に綱を整えて、場所前の綱打ちは終了いたしました。

終始和やかなムードで、二所ノ関部屋は素晴らしい親方と力士が集まる相撲部屋でした。

大麻草の歴史を未来へ

日本において麻(大麻草)は、衣食住だけでなく、祈りや祭り、文化の中心に存在してきた植物です。しかし近代以降、その価値は一時的に忘れ去られつつあります。
今回「横綱綱打ち式」という伝統行事を通して、大麻草が日本文化にどれほど深く根付いてきたかを改めて感じました。
HEMPSとしても、この歴史と文化を未来へつなぎ、大麻草の持つ可能性を現代の暮らしに生かしていく活動を続けていきたいと思います。

このような機会を与えていただきました関係各者の皆様に深く御礼申し上げます。